my little science room

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なぜノンホモ牛乳は美味しいの? ~ノンホモ牛乳の作り方は普通の牛乳作り方とどこが違うの?~

先日、頂き物のヨーグルトを食べていたところ、
「今まで食べたヨーグルトの中で一番美味しい!!」
と子どもが大感激!!しました。
食べていたのはこちらのヨーグルト。

なるほど、どうやら「ノンホモ」だから美味しいようです。
という話をすると、当然聞かれます。
なんでノンホモだと美味しいの?

なぜノンホモの牛乳やヨーグルトは美味しいのか?

まず、はじめに、ノンホモの話をする前に、普通の牛乳の話をします。

普通の牛乳の製造工程

牛さんから搾乳された牛乳は、普通、
牛乳を均質化する、ホモジナイズと言われる製造工程
牛乳を加熱して殺菌する殺菌工程
を経て、牛乳パックに詰められてお店に並びます。

ホモジナイズ工程とは

牛乳には「脂肪球」と呼ばれる成分が含まれています。
脂肪球は色んな大きさがあります。
これを砕いて、少し小さな大きさのそろった脂肪球に整える工程がホモジナイズ工程です。

なぜホモジナイズ工程をしなければならないか。

理由は次の工程にあります。

加熱殺菌工程

牛乳は菌を殺すために加熱されています。
牛乳は栄養たっぷりで、とっても菌が増えやすいのですが、殺菌工程を行うことによって菌が増えにくくなります。
加熱殺菌を行なうことによって、乳搾りをしてから、牛乳バックに詰められて、お店に並んで、私たちの口に入るまでの間、腐らず安全な牛乳にすることができます。

加熱殺菌には

  • 63度ぐらいの温度で長い時間(15分)加熱する方法と
  • 72度から75度くらいの温度で短い時間(15秒)加熱する方法
  • 120度から130度ぐらいの温度で2、3秒加熱する方法

があります。 どの方法にもメリットデメリットがありますが、120度から130度で2~3分くらいという条件が一般的です。
日本の牛乳の9割がこの方法で処理されているそうです。
高温で処理する方法のメリットは、全ての菌を殺菌できることと、短い時間で処理できること。
高温で短い時間で処理した方が、短時間でたくさんの牛乳を処理することができます。  
一方、高温で殺菌することのデメリットは大きな脂肪の玉が残っていると脂肪の玉同士がくっついて、かたまりができてしまうこと。
だから、高温で殺菌する場合はあらかじめ大きな脂肪の玉を取り除いておかなければいけないのです。
そこで高温殺菌する場合は必ず事前に、ホモジナイズ工程を行います。

ノンホモ牛乳はどうやって作るの?

「ノンホモ」とは、「ノンホモジナイズ」の略。
ノンホモ牛乳とは、ホモジナイズ工程を行っていない牛乳のことです。
だから、ノンホモ牛乳には、大きな脂肪の固まりが残っています。
これをそのまま高温で加熱殺菌すると脂肪球のかたまりができてしまいますので、ノンホモ牛乳は低温で時間をかけて殺菌されます。
普通の牛乳よりも殺菌に手間がかかっている訳ですね。

ノンホモ牛乳の美味しさの秘密

ノンホモ牛乳には元々の大きさの脂肪球が残っています。
そして、この本来の状態の方が甘さやクリーミーさをより強く感じるようです。
ノンホモ牛乳は静かに置いておくと大きな脂肪分が上に置き浮いてきてクリームラインと呼ばれる天然の生クリームの層ができます。
特に飲みはじめの時に、最初にこの部分が口に入り、「濃い!」という印象が残るようです。

ノンホモ牛乳のもう一つのメリット~吸収のされ方の違い~

ノンホモ牛乳には元々の大きさの脂肪球が残っているので、お腹の中に入った時にゆっくり消化吸収されます。
一方、ホモジナイズされた牛乳の脂肪球は小さいので速い速度で吸収されます。
また、脂肪球の中に包まれている、乳糖も剥き出しになっていないので、乳糖不対症と言って乳糖を消化する力が弱い方が飲んでもお腹が壊さないことがあるそうです。

まとめ

ノンホモ牛乳が美味しいのは大きな脂肪型がそのまま残っているから。
ノンホモ牛乳は大きな脂肪球をそのまま残し、かつ、固まりを作らずに殺菌するため低温で時間をかけて殺菌されている。

おいしい牛乳が飲みたい時、またノンホモ牛乳を買ってみようと思ったので、ありました。