ヨウ素とビタミンCを使った科学マジックをしてみました。
本記事では、
マジックの概要
やり方
原理~なぜ色が消えるのか
をメモしています。
マジック概要
この魔法の液で字を書きます。
ところが、もう1つ魔法の液で上から字をなぞると、
消えてしまいます!
この科学マジックは、
- お家にあるもの
あるいは、
- ドラックストアで購入できるもの
でできる手軽かつ鮮やかなマジックです。
最初の字を書いた時に使った液は、
- イソジン薄めた水溶液
です。 次の字を消すときにつかった液は、
- レモン汁を薄めた水溶液
です。 このマジックはイソジンに含まれるヨウ素の「酸化還元反応」を利用したものです。
やり方
準備するもの
イソジン水溶液とビタミンC水溶液を準備します。
イソジン水溶液
市販のイソジンを薄めて作ります。
濃度は、水100ccに対し、イソジン10滴位。紙に字を書いて色が残る位の濃さがあればOKです。
ビタミンC水溶液
ビタミンCを含むものであれば何でも使用できます。
市販のビタミンCを含むものとは、例えば、
- C.C.Lemon
- レモネード
このほか、ビタミンCを含む野菜や果物の汁、
- レモン
- キウイ
などビタミンCを含む果実の果汁を使うこともできます。
手順
水溶液が完成したら
- 絵筆の先にイソジン水溶液をつけて絵や字をかき、
- ビタミンC水溶液で消す
だけです。
原理~なぜ字が消えるのか~
ヨウ素とビタミンC (アスコルビン酸)を混ぜると酸化還元反応が起き、
- ヨウ素はヨウ素イオンに(I2 → 2I-)になります。
ヨウ素は茶色ですが、ヨウ素イオンは無色なので、字や絵が消えたように見えます。
一方、
- アスコルビン酸はデヒドロアスコルビン酸になります。
※アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸はともに無色
アスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸。
一見似ているのですが、どこが変わったかわかるでしょうか。
正解は、こちら。
この図で〇は水素を表しています。
「デヒドロ」は水素が取れたという意味。
「デヒドロアスコルビン酸」は「アスコルビン酸から水素イオンが2つとれたものです。
この2つの反応は単独で起こっているのではありません。両者の間で、
- アスコルビン酸から出た電子をヨウ素が受け取る、
という電子の受け渡しが起こっています。
- 電子を放出する反応が酸化反応。
- 電子を受け取る反応が還元反応。
つまり、アスコルビン酸が酸化され、ヨウ素が還元される、酸化還元反応が起きています。
この反応の場合、
- アスコルビン酸はヨウ素の立場からみると、ヨウ素を還元するものなので還元剤
- ヨウ素はアスコルビン酸の立場からみると、アスコルビン酸を酸化するものなので酸化剤
となります。
以上、 ヨウ素とビタミンCを使った科学マジックの概要、やり方、原理でした。
比較的手軽に入手しやすいもので、かつ鮮やかにできるおすすめの科学実験です。