2歳の次男。
まだまだオムツが外れません。
パンツを履く? とお誘いしてもお断りされる日々が続きます。
そんな弟の様子を見ていたお兄ちゃんからの質問。
「おむつは何でおしっこ吸うの?」
「吸水ポリマーがおしっこを吸ってくれるからだよ」
「吸水ポリマーって何?」
弟さんから1枚おむつをいただきみてみました。
おむつの解剖~おむつの中身はどうなっているか~
次男がお昼寝している間に、新品のオムツを1つ失礼して、ハサミで切ります。
ざっくり。
断面図はこんな感じです。
コットンが詰まっていますね。
コットンを少し取り出してみるとこんな感じ。
コットンに、わずかに「つぶつぶ」が付いているのが見えるでしょうか。これが吸水ポリマーのようです。
またおむつの不織布自体にもつぶつぶした吸水ポリマーが付いています。
実験~吸水ポリマーに水をかけてみよう!~
吸水ポリマーのついたコットンをトレイに出して、水をかけてみます。
水が徐々に吸い込まれていきます。
もうちょっと拡大してみますね。
最初はトレイに水たまりができていますね。ところがしばらくすると……
水たまりがどんどん小さくなっていきます。
吸水ポリマーはちょっと透明感が出てきます。
ゼリーみたい。
数秒であっという間に水が吸い込まれてしまいました。
こちらは水をたっぷり擦った吸水ポリマー。
ゲル化してゼリーのようになっています。
コップいっぱい分の水も余裕で吸えます。
最近では吸水ポリマーを利用した人工雪のおもちゃが出ているようです。
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ところで吸水ポリマーはなぜ水を吸うのでしょうか。
吸水性ポリマーとは
吸水性ポリマーとは、水に溶けることなく、自らの重さの10倍から数百倍もの水を吸収して保持する能力を持っているポリマーのことです。
水を吸収する材料としてはコットンやスポンジがあります。
これらは毛細管現象によってその隙間に水を吸収していきます。
でも、給水する能力や給水した水を保持する能力も大きくないので、押したりして圧力を加えると水は外に出てしまいます。
吸水性ポリマーはコットンとかスポンジの隙間よりもずっとずっと細かい隙間を持っています。
ポリマーを作っている分子の鎖の間に水が取り込まれるので、自分の重さの数百倍もの水を吸収することができます。
また一旦水を吸収して膨らんでゲル化したら押されても圧力がかかっても水を放しません。
吸水性ポリマーは、オムツや生理用品などに使われています。
吸水性ポリマーはなぜ水を吸うのか
ポピュラーな吸水性ポリマーの1つ、アクリル酸ナトリウム型重合体の架橋物を図解します。
吸水性ポリマーは、例えば、このような構造をしています。
ここに水が来ると……
Naイオンが抜けてしまうと、カルボン酸イオンは、
そして……
網目に入った水はトラップされて、押されても出てきません。
オムツの中には、目に見えない小さな網ができていて、その網の中に水がとらえられているのですね。
ぬれるのが嫌な次男君のために、もう少し、水を捕まえる網、こと、吸水性ポリマーとのお付き合いは続きそうです。